意外に知らなかった「彰義隊」のこと、3人の若者の運命が切ない

漫画雑誌「ガロ」で連載され、日本漫画家協会賞優秀賞を受賞した杉浦日向子の同名漫画を、柳楽優弥と瀬戸康史の主演で映画化したのが、この『合葬』だ。「新撰組」や「白虎隊」に比べ、これまであまり語られてこなかった「彰義隊（しょうぎたい）」に焦点を当てている。 シャネルコピー 【詳細画像または表】 　鳥羽・伏見の戦い後、将軍の警護と江戸市中の治安維持を目的として有志により結成された彰義隊は、当初こそ高い志をもって結成され、江戸の民衆からも慕われたが、幕府の解体とともに将軍慶喜が水戸に事実上追放されると、隊は強硬派と穏健派に分裂。義憤にかられた強硬派は次第に反政府的な武力集団へと変貌していく。しかし彰義隊には、多くの市民、特に普通の若者たちも参加していた。 　本作は、自らの意思で加わった青年・秋津極（きわむ/柳楽優弥）と、養子先から追い出され、行くあてもなく足の赴くままに入隊した吉森柾之助（まさのすけ/瀬戸康史）、そして彰義隊の存在に異を唱えながらもそこに加わらざるをえなかった福原悌二郎（ていじろう/岡山天音）という幼なじみの若き青年3人の、切なく揺れ動く運命を描いている。 ●若者の恋や友情、志を描きながら江戸末期の彰義隊の姿に迫るブランド財布コピー 　物語は、江戸から明治へと変わる激動の時代が舞台。慶応四年（1868年）4月11日、朝廷に恭順して江戸城を明け渡し、退官のうえ水戸へ謹慎となる第15代将軍・徳川慶喜（飴屋法水）が、江戸城を出て行くシーンから幕を開ける。 　その直後、江戸市中にある福原家では、許嫁との婚約を破談にしてくれと申し入れにきた秋津極に対し、許嫁・砂世（門脇麦）の兄で幼なじみの福原悌二郎は、その理由に納得できないと怒りをむき出しにし、福原家を去る極を追いかけ、「妹の気持ちはどうなる」と問いつめる。 ルイヴィトン財布コピー 　だが、将軍を守るべき彰義隊の一員でありながら、将軍が江戸城を去る姿を土下座しながら見送った極にとっては、何ひとつできなかった自分がただただ不甲斐ない。だからこそ、同隊の一員として最後まで闘うことを決意。万が一にも親族にとがめが及ばぬよう、自分は家督を弟に譲り、許嫁との婚約も破談にしたのだ。 　これに対し、「幕府が解体した今、彰義隊など無用の長物」と悌二郎は持論を展開。2人の主張は平行線をたどる。そこに偶然、もう1人、2人の幼なじみで、養父の死をきっかけに、養子に入った笠井家を体よく追い出されてしまった吉森柾之助が現れ、3人はそれぞれに異なる立場ながらも、彰義隊に加わることになる。 　映画は、彰義隊に入った3人を中心に進んでいく。そこで描かれるのは恋や友情、将軍を守りたいという志など、若者らしい一面。もう一方で少しずつ官軍により彰義隊が追い詰められ、ついには一斉攻撃を受けてしまう戦争の様子も映し出していく。エルメスコピー